第2 診断群分類区分等について

第2 診断群分類区分等について

1 診断群分類区分の適用の考え方
(1) 入院患者に対する診断群分類区分の該当の有無は、厚生労働大臣が定める傷病名、手術、処置等及び定義副傷病名(平成20年厚生労働省告示第95号。以下「定義告示」という。)に定める傷病名、手術、処置等及び定義副傷病名等から、診断群分類定義樹形図(別添1。以下「ツリー図」という。)及び診断群分類定義表(別添2。以下「定義テーブル」という。)に基づき主治医が判断すること。
ツリー図は、定義テーブルに定める診断群分類ごとに、手術、処置等又は定義副傷病の有無等に応じた分岐及び当該分岐ごとに設定された14桁のコード(以下「DPCコード」という。)で構成され、DPCコードのうち、診断群分類区分に該当する分岐の14桁のコード(診断群分類点数表に定める診断群分類番号を指す。)を実線で、診断群分類区分に該当しない分岐の14桁コード(以下「医科点数表算定コード」という。)を点線で表したものであり、主治医はこれに基づき適切なDPCコードを選択するものとする。
なお、診断群分類区分に該当しないと判断された患者等、診断群分類点数表により診療報酬を算定しない患者については、医科点数表に基づき算定することとなった理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載し、当該患者のうち以下に該当するものに限り、併せてDPCコードを記載すること。
① 五号告示第二号に該当した患者
② 診断群分類点数表に定める入院日Ⅲを超えた患者
③ 医科点数表算定コードに該当した患者
(2) 「傷病名」は、入院期間において治療の対象となった傷病のうち医療資源を最も投入した傷病(医療資源を最も投入した傷病が確定していない場合は入院の契機となった傷病をいう。)について、「疾病及び関連保健問題の主治医が国際統計分類ICD-10 2003 年版準拠(以下、「ICD-10」という。)」から選択すること。
ただし、以下のICD-10については、選択しないこと。
・詳細不明の寄生虫症(B89)
・他章に分類される疾患の原因であるレンサ球菌及びブドウ球菌(B95)からその他及び詳細不明の感染症(B99)
・心拍の異常(R00)からその他の診断名不明確及び原因不明の死亡(R99)まで(ただし、鼻出血(R040)、喀血(R042)、気道のその他の部位からの出血(R048)、気道からの出血、詳細不明(R049)、熱性けいれん(R560)、限局性発汗過多(R610)、全身性発汗過多(R611)、発汗過多、詳細不明(R619)及びブドウ糖負荷試験異常(R730)を除く。)
また、独立した多部位の悪性腫瘍(C97)については選択せず、主たる部位の悪性腫瘍のいずれかを選択すること。
(3) 手術等が実施されていない期間に診断群分類区分の適用を判断する場合には、予定されている手術等(入院診療計画等により確認されるものに限る。)も勘案した上で診断群分類区分の適用を判断すること。
(4) 一の入院期間において複数の傷病に対して治療が行われた場合においても、一の診断群分類区分を決定すること。
(5) 同一の傷病に対して複数の手術等が行われた場合等においても、一の診断群分類区分を決定するものとし、決定するに当たっては次の点に留意すること。
入院中に、定義告示に掲げられた複数の手術等の診療行為が行われ、同一疾患内の複数のDPCコードに該当する可能性がある場合の取扱いについては、「手術」、「手術・処置等1」及び「手術・処置等2」の全ての項目において、ツリー図において、下に掲げられたDPCコードを優先して選択すること。
(6) 医科点数表において「区分番号K○○○の○○術に準じて算定する」と規定されている手術について診断群分類区分を決定するに当たっては、準用元の手術で判断すること。
(7) 主治医による診断群分類区分の適用の決定は、患者の退院(DPC算定対象となる病棟等以外の病棟への転棟を含む。)時に行うものとする。

2 診断群分類点数表の入院期間等
(1) 診断群分類点数表の入院期間
診断群分類点数表の入院期間は、同表に掲げられた入院日(日)に応じ、以下によるものとする。
① 入院期間Ⅰ:入院日Ⅰに掲げる日数以下の期間
② 入院期間Ⅱ:入院日Ⅰに掲げる日数を超え入院日Ⅱに掲げる日数以下の期間
③ 入院期間Ⅲ:入院日Ⅱに掲げる日数を超え入院日Ⅲに掲げる日数以下の期間
(2) 定義副傷病
① 定義副傷病は、手術あり・なし別に、定義テーブルの定義副傷病欄のフラグによるものとする。なお、フラグは以下のとおり定義する。
ア 手術あり・なし共通の定義副傷病(定義副傷病欄フラグ1)
イ 手術なしの場合の定義副傷病(定義副傷病欄フラグ2)
ウ 手術ありの場合の定義副傷病(定義副傷病欄フラグ3)
② 定義副傷病は、入院時併存症(入院当初に患者が既に持っている傷病)及び入院後発症傷病(入院後に発症した傷病)の両方を含むものである(疑い病名は除く。)。

3 用語等
(1) 「JCS」はJapan Coma Scaleの略である。なお、該当するJCSは、DPC算定対象となる病棟等への入院等の時点で判断するものとする。ただし、入院等後に当該病棟において発症した傷病が医療資源を最も投入した傷病となる場合は、当該傷病の発症時に判断する。
(2) 「GAF」はGlobal Assessment of Functioningの略である。
(3) 「15歳以上」等の年齢については、診断群分類区分が適用される入院時の年齢等による。
(4) 定義告示中の「手術」の欄において「+」により複数の手術が並列されている手術(以下「複数手術」という。)は、同一入院期間中に並列された全ての手術が実施された場合に該当するものとする。
(5) 定義告示及び算定告示中の手術、処置等の定義は、次に掲げるものを除き、医科点数表の区分によるものとする。
① 「化学療法」とは、悪性腫瘍に対する抗腫瘍用薬、ホルモン療法、免疫療法等の抗腫瘍効果を有する薬剤の使用(当該入院中に処方されたものに限ることとし、手術中の使用及び外来又は退院時に処方されたものは含まない。)をいい、抗生剤のみの使用及びG-CSF製剤、鎮吐剤等の副作用に係る薬剤のみの使用等は含まない。
② 「放射線療法」とは、医科点数表第2章第12部に掲げる放射線治療(血液照射を除く。)をいう。
(6) 「電気生理学的検査」とは、医科点数表第2章第3部に掲げる検査において、保険医療材料(特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)(平成20年厚生労働省告示第61号。以下「材料価格基準」という。)別表Ⅱ区分114(2)に掲げる保険医療材料を、「050070 頻脈性不整脈」では3本以上、「050210 徐脈性不整脈」では2本以上使用して実施した電気生理学的検査をいう。
(7) 「動注化学療法」とは、医科点数表第2章第6部に掲げる注射のうちG002動脈注射により化学療法を実施することをいう。
(8) 手術あり又は手術なしにおける「手術」とは、医科点数表第2章第10部に掲げる手術(輸血管理料を除く。)の有無をいう。
(9) 「全身麻酔」とは、医科点数表第2章第11部に掲げる麻酔のうちL007開放点滴式全身麻酔又はL008マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔をいう。
(10) 「メトトレキサート大量療法」とは、骨肉腫に対してメトトレキサート5g以上(バイアル換算で25本以上)投与する化学療法をいう。
(11) 「神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素)神経根ブロック」、「神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素)腰部硬膜外ブロック」及び「神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素)仙骨部硬膜外ブロック」とは、医科点数表第2章第11部に掲げる麻酔に規定されるL100神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素使用)に掲げる「1」の神経根ブロック、「2」の腰部硬膜外ブロック及び「5」の仙骨部硬膜外ブロックをいう。
(12) 060350急性膵炎における重症度等の「重症」とは、急性膵炎の重症度判定基準(2008年改訂)(厚生労働科学研究補助金難治性膵疾患克服研究事業難治性膵疾患に関する調査研究班)により重症(予後因子3点以上又は造影CTgrade2以上)として判定される病態をいう。なお、重症度が判定できない「不明」の場合にあっては「軽症」の診断群分類区分を選択するものとする。
(13) 定義告示における慢性肝炎等の分類中に規定するインターフェロンβの「一定期間以上投与した場合に限る。」とは、一入院期間中における7日以上の投与をいうものであり、連続7日以上の投与に限るものではない。
(14) 010060脳梗塞における年齢、出生時体重等の発症時期及びJCSは、診断群分類区分の適用開始時を起点として選択するものとする。なお、診断群分類区分の適用開始後に発症した場合は、発症後3日以内、発症時点でのJCSを選択すること。
また、重症度等の「発症前Rankin Scale」とは、発症前概ね1週間のADLを病歴等から推定し、以下に掲げる0から5までのうちいずれかを選択すること。なお、病歴からも全く推定ができない場合にあっては、5を選択すること。
0 全く症候がない
1 明らかな障害はない:日常の勤めや活動は行える
2 軽度の障害:自分の身の回りのことは介助なしで行える
3 中等度の障害:何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
4 中等度から重度の障害:歩行や身体的要求には介助が必要である
5 重度の障害:寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りを必要とする
(15) 040080肺炎等における病態等分類の「市中肺炎」への該当の有無は、主治医の判断によるものとするが、肺炎のうち以下に該当しないものを市中肺炎の例として示すので、参考にすること。
・入院48時間以降に病院内で発症した肺炎
・重篤な免疫抑制状態
・老人施設と長期療養施設で発症した肺炎
・慢性下気道感染症の急性増悪
また、重症度等の「A-DROP スコア」とは、以下の5項目のうち入院時(入院中に発生した場合は発症時)の状態に該当する項目の合計数をいう。
・男性70 歳以上、女性75 歳以上
・BUN 21 mg/dL 以上又は脱水あり
・SpO2 90%以下(PaO2 60Torr 以下)
・意識障害あり
・血圧(収縮期)90 mmHg 以下